殊勲顔
大関・栃東
朝青龍の13日目での優勝を阻止した(3/25)
それも、朝青龍がめったに負けたことの無い取り直しの一番だ。
横綱が今場所から新調し、相手力士が触ることすら困難だった
「黄金のまわし」に、べったりと砂をつけた。
朝青龍が今年初めて負けた。
ものすごい座布団が乱れ飛んで
朝青龍はよっぽどくやしかったのか、
支度部屋に戻り、風呂場へ入った瞬間
「クソーッ!」
と、支度部屋が凍りつくような怒気の
すごい絶叫をあげたそうな。
これだ、これ!
格闘技はこうでなくっちゃ!
朝青龍は速攻勝負が決まらないとき、
時にじれて腕(かいな)をたぐるクセがある。
そこにつけ入るスキがあると作戦をたてて
身体に染み込むまで攻撃法を稽古していたようだ。
だけどそのためには、徹底的に頭を低くし、
強力な横綱の厳しい攻めをしのぎきる必要がある。
耐えて耐えて、同じような相撲を二番続けて取って、
やっと一瞬の弱点を刺した!
栃東の執念が実った一番だ。
地位を守る星勘定だけが目標の
まるで官僚のような大関陣にあって、
ひとり打倒朝青龍に燃えていた栃東に喝采だ!
今場所は横綱の圧倒的強さが目立つばかりで
優勝争いの興味がなく、興行的にも不満をもっていた
北の湖理事長も「朝青龍の優勝は揺るぎないから、
誰が倒すかが興味だった。
きょうは栃東を褒めるべきだ。
朝青龍は栃東の相撲のうまさに負けた」
と、語ったとか。
だったら北の湖サン、
大関で三賞の受賞資格がない栃東に
理事長殊勲賞と技能賞をあげて!
イラスト・文章の無断転載を禁止します/著作・松村宏