あしたのジョー顔
福士加代子選手
大阪国際女子マラソンで壮絶に惨敗(1/27)
5000メートルとハーフマラソンの日本記録保持者で
日本では敵なしの「トラックの女王」が
満を持しての初マラソンと、期待は高かったんだけど
あまりにも準備不足で無謀な挑戦だったみたい。
ふつう、初マラソン前には、少なくとも40キロ走を
5本以上はやっておくもんなんだそうだけど
福士選手は30キロ走すらやってないままの
いわば「ぶっつけ本番」だったとか。
なんでも、大好きなエチオピアで合宿中
男子の世界記録保持者ゲブレシラシエの
「マラソンなんてイージーだよ」という言葉をもらったんだとか。
常識を超えたトップアスリート同士でしか
わかりえない世界だけれど、現実は厳しかったようだね。
★
序盤はぶっちぎりでトップを独走したものの、
30キロ手前から失速して次々と抜かれ、
最後はフラフラ、ヨロヨロ
トラックで何度も転倒しては立ち上がる
福士選手の姿はニュース映像で繰り返し流された。
あれはちょっとショッキングですらあったね。
スタンドのお母さんは「もうやめて」と絶叫してるのに
福士選手はそのたび笑顔で立ち上がって、
とうとうゴールインした。
体の状態と表情があまりにもかけ離れていて、
ちょっと、怖いくらいだった。
そう、「あしたのジョー」のクライマックスみたい。
とっくにKOされていてもいいほど
ダメージを受けていながら、試合続行しようとして
時に笑顔すら浮かべるジョーの執念に、
チャンピオンが恐怖を覚える。
あの壮絶なシーンを思い出しちゃった。
でもまあ、福士選手は真っ白な灰になったジョーとは違って、
どうやら選手生命にかかわるようなことは
ないようだからホッとしたんだけど。
★
本人はレース後、初マラソンの感想を聞かれ、
「おもしろかったかな」と笑ったとか。
ということは、あの壮絶な笑顔も、つまり
勝気な福士選手ならではの強がりなのかなあ。
いや〜、壮絶に
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おもしろい人だ。
イラスト・文章の無断転載を禁止します/著作・松村宏