ビター・テイスト顔
ウィリー・ウォンカ
(ジョニー・デップ/チャーリーとチョコレート工場)
ヒット中の話題作「チャーリーとチョコレート工場」を
やっと観に行って来たよ。
CGに頼った作りではなく、実際に大掛かりな360度セットを
いくつも組み立てた大掛かりなもので、
映画を観ていると、なんだかお菓子のテーマパークを
巡ってるような気分になった。
子供向けの娯楽作かなと思って、あんまり期待していなかったんだけど
やっぱり、そこはティム・バートン監督、甘いだけでなく
ビターな大人のテイストもしっかり効かせていた。
たとえば、みんな同じ顔の小人の工場労働者なんて、
見る人によっては悪趣味だと思うようなビジュアルが満載されてる。
それに性格の悪い子どもが4人出てくるんだけれど、
子ども本人がただ悪いのではなく、親子関係がその性格を作っているという
皮肉に満ちたエピソードを豊富に挿入しているので、
自分に置き換えてドキッとする大人もたくさんいるんじゃないかな。
ワタシはそういうところが大好きで、このチョコレート、
いや、この監督はやめられないんだよね。
ところで、原作の世界を忠実に再現することに腐心したと語る監督は、
原作にはないという、ウォンカの人物像を
掘り込むエピソードを映画に挿入していた。
ウォンカの奇妙な人格は、子ども時代の
厳格な父親との関係性で作られたと物語る。
(そのお父さん役が吸血鬼役者のクリストファー・リーときてるから
性格ゆがむのも納得できちゃうんだけどね。)
映画の終わり頃に、「最近ひらめきがなく、
新製品の開発に自信がもてない」と愚痴るウォンカを
チャーリー少年がそのお父さんに会いに行かせるエピソードが出てくる。
もう、どっちが大人かわからない。
だけど、ウォンカにとって、敵というか、壁というか、
とにかく否定的にしか見ることのできなかった
コワーイ父親が、実は自分の一番の理解者で、
ずっと応援していたと気がつくシーンは、ホロッと来たなあ。
前作「ビッグ・フィッシュ」でテーマにしていた、
父と息子の断絶と和解をこの新作でもあつかっているわけだ。
苦いだけだと思っていたら、深〜い甘さが染みてきた。
まさにビター・チョコなエピソード。
ウィリー少年役のフレディ・ハイモアとジョニー・デップの主役コンビは
アカデミー候補作になった「ネバー・ランド」と同じ。
二作品とも、ピーター・パンを夢見る大人と
いやおうなく現実世界にもまれる子どもの話だけど
「チャーリーとチョコレート工場」のほうが、
大人になることを受け入れる主人公の葛藤と成長が
素直に伝わってくる分、ワタシは好きだなあ。
「ネバーランド」を売却した、マイケル・ジャクソンに
是非観てほしいよ(笑)
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